アート・オークション・インタビュー(1)

オークションといえども色々な形があり、色々な思いから立ち上げられる中、6つの同じ質問を決め、オーガナイザーの方々にお聞きしています。今回は、本間さんがご一緒に立ち上げたブダペストでのオークションで、オーガナイザーであり作家でもあるナネット・ヴィッソンさんからお話を聞きました。

アート・アクション(以下AA):どのような経由で アートを通して日本への支援を決意されたのでしょうか?過去にファンドレージングをしたご経験が在れば、その詳細も教えてください。
ナネット・ヴィッソン(以下NV): こ のサイレント式のオークションを決めたのは、自発的な理由でした。友人であり、一緒にオーガナイズした本間さんのご家族が被災され、その距離を感じ「何か したい」という気持ちからでした。美術を通して行った理由は、それがわたしたちにとって、道理にかなった方法であり色々な方に理解を得られるからでした。 今までは、展示をオーガナイズしたり、助成金を申し込むとの経験は在りましたが、 チャリティーを行うという目的でオーガナイズしたのは初めてです。

AA: どのように人に掛け合い、どのくらい時間が掛かったのでしょうか?また、日程はどのように決定したのでしょうか?

NV: 今回は、3名が中心となり、三週間かけました。その中で(本間)かおりさんとわたくしがコアなメンバーで、私はブダペストから、そして彼女がロンドンから作家さんを集め、デービッド・ウィルキンソンは、精神的意味も含めテクニカルなサポートを。もちろん、ハードワークな点は否めませんが、やった甲斐があったと信じています。
*注:今回のオークションが執り行われたのは、戦前首相官邸でもあったBrody Houseであり、最近はレジデンシー等を受け持ちアートのサポートも行っている。

AA: どのように、ドネーション先を決めましたか?

NV: (日本)赤十字に決定する前に、在ハンガ リー日本大使館や国際交流基金と連絡しましたが、目的の被災者の方に支援金がきちんと届くことが理由でした。先にわたくし達に渡そうとした方もいました が、直接赤十字の方へ送って頂く形にして、受諾の証明をこちらに廻してくださる形で作品を引き取って頂く形を取りました。その形式を取ることで、簡潔に税金に関する問題等を我々がする必要性を省きました。

AA:どのように、人を集めましたか?

NV:オンラインで招待状、Facebook等、もそうですが、個人のメールを作り電話連絡も行いました。

AA: またこの様なチャリティーを行うとしたら、どのようにしますか?

NV:もう一週間在ればまた違った形で多くの人々に協力を得られたかもしれませんが、即座に動いた勢いがあったので後悔はありません。

AA: これから同じ様なプロジェクトを立ち上げる方に助言をお願い致します。

NV:ポジティブに協力を得られる方と仕事を し、プロジェクトを完了するまで助言を受けながら進めること。あと、ビッド用紙に作品のイメージを付ける等イベントとして完了するまでの予測をたてるこ と。責任の分配をし、ドネーション先や作品をきちんと扱う最善の形を行えるよう努力すること。感謝の意を伝えることを忘れずに!

後日談:
今回の展示の後、本間さんともお話しした際に、去年ドナウ川で起きた水質汚染の際に日本が助けてくれた。という意識から、東日本大震災の被災者の方のニュースに心を痛めた方も多かったとのこと。目的の支援金を集めるということ以上に、国としての協力を受け、今回は個人でも助けたいという慈悲の気持ちだけでは無く、感謝の気持ちも集めたオークションになったようです。参加作家だけではなく、オークションをオーガナイズするというアクションを起こす意義を再確認した話になり、とても有意義なお話しになりました。